专利摘要:
本発明は、少なくとも1つの親水性活性化合物を含む多重壁微小球の合成法と、本発明の方法で得た多重壁微小球に関する。本発明は更に、本発明の多重壁微小球を含む医薬組成物に関する。
公开号:JP2011506077A
申请号:JP2010537902
申请日:2008-12-02
公开日:2011-03-03
发明作者:イン;チャン;フレディー ボーイ;ジャン マ;ゼン ワン
申请人:ナンヤン テクノロジカル ユニヴァーシティー;
IPC主号:B01J13-12
专利说明:

[0001] 本出願は、2007年12月11日出願、米国仮出願第61/007,235号の優先権の利益を主張するものであり、全ての目的のため、その内容は全て本件に引用して援用する。]
[0002] 本発明は、少なくとも1つの親水性活性化合物を含む、多重壁(multi-walled)微小球の合成法に関する。本発明はまた、本発明の方法で得た多重壁微小球に関する。本発明は更に、本発明の多重壁微小球を含む医薬組成物に関する。]
背景技術

[0003] 薬物、殺虫剤、肥料、指示薬、その他の活性化合物などの物質の制御送達は、様々な方法で行うことができる。ある種の送達系では、送達される活性化合物の周囲に、またはそれを含むように、ポリマーのマイクロカプセルまたは球を形成する。]
先行技術

[0004] 米国特許第5,631,020号明細書
米国特許第5,985,354号明細書
米国特許出願公開第2006/0051425号明細書]
発明が解決しようとする課題

[0005] 例えば、薬物の制御放出用デバイスの使用は、現在盛んに研究されている分野である。制御放出デバイスには主に3つの長所がある。(1)殆どの薬物は、特定の濃度枠の中でのみ治療的効果を持つ。治療の全期間に亘って薬物濃度を最小有効濃度(MEC)と最小毒性濃度(MTC)の間に保つため努力が要ることが、制御放出という選択肢を考える主な理由のひとつである。(2)制御放出のもうひとつの長所は、投与頻度が減り、患者が服薬を順守し易くなることである。(3)制御放出デバイスの使用により、体内の特定部位を標的とすることが可能となるため、治療薬が全身に回ることがなく、また投与のため消化管を使わなくても良い。]
[0006] 一般に、担持した微小球は、エマルション法およびスプレー乾燥で製造可能である。しかし、薬物を担持した微小球、特に、親水性薬物を担持した微小球では、このような微小球を放出媒体中に置くと放出される、薬物の初期大ボーラスと呼ばれる高い初期バースト放出が、このような系の開発における大きな課題のひとつである。高すぎるバーストは薬物送達デバイスの有効寿命を縮め、治療的にも経済的にもその効果を下げる。更に悪いことに、初期放出速度が大きすぎると、薬物濃度が毒性閾値に近づき、あるいはそれを越えるおそれがある。薬物を含まない外側ポリマー層で内側の薬物担持ポリマーコアを覆った二重壁微小球を用いてバースト放出を制限する、新たな方法(米国特許第4,861,627号)が開発されているが、このような微小球の放出プロフィールは典型的に3つの相を含み、低い初期バーストの後に、特徴的な遅延相が20日以上も続くことがある。このような系のもうひとつの欠点は、製造工程においてモデル薬物を固体状態で加える必要があり、このためもともと保護用の賦形剤を含む溶液である一部の治療用タンパク質では、薬物担持率が下がり、またその用途が限られることである。]
[0007] このため、広いスペクトルの活性化合物を効果的かつ持続的に放出する、改良された送達系が求められている。]
課題を解決するための手段

[0008] 第1の態様において、本発明は、少なくとも1つの親水性活性化合物または物質を含む多重壁微小球の合成法に関する。この方法は、有機溶媒に溶解した第1ポリマーを含む第1溶液を調製する工程と、有機溶媒に溶解した第2ポリマーを含む第2溶液を調製する工程と、極性溶媒に溶解した少なくとも1つの親水性活性化合物を前記第1溶液と乳化して、第1エマルションを得る工程と、前記第2溶液を前記第1エマルションと乳化して、第2エマルションを得る工程と、前記第2エマルションを、安定剤を含む水溶液と乳化し、前記安定剤含有溶液を混合して前記有機溶媒を蒸発させる工程と、を含み、第2ポリマーは、第1ポリマーよりも疎水性であり、より高い固有粘度を持つものである。]
[0009] 別の態様において、本発明は、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球に関するものであり、この微小球は、第1の内側ポリマー層と第2の外側ポリマー層とを含み、第2ポリマー層のポリマーは、内側ポリマー層のポリマーよりも高い疎水性と高い固有粘度とを備えていることを特徴とする。]
[0010] 別の態様において、本発明は、本発明の方法で製造され、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球に関する。]
[0011] 更に別の態様において、本発明は、本発明の方法で得た、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球、あるいは、本発明の中空微小球を含む、医薬組成物に関する。]
[0012] 本発明は、詳細な記述を参照しながら、非制限的な例および添付図を検討すれば、より良く理解できるであろう。]
図面の簡単な説明

[0013] 親水性活性化合物を担持した多重壁微小球のそれぞれの製造工程を示す、本発明の方法の図式的概観である。
供試活性化合物としてウシ血清アルブミン(BSA)を加えた、本発明の二重壁微小球の製造の具体例を示す流れ図である。この具体例は、本発明の実施例の部で詳しく述べる。
PLGA80/20(外側層)とPLGA75/25(内側層)を用いて製造した微小球の表面形態を示すSEM写真である。本発明の方法で得た微小球は滑らかな球状の表面形態を持ち、平均粒径は約20から1,000μmである。
PLGA80/20(外側層)とPLGA75/25(内側層)を用いて製造した活性化合物担持微小球の断面図を示すSEM写真である。この写真は微小球の内部形態を示しており、本発明の方法で作られたほぼ全ての微小球の内側コアが中空であり、または空隙を含んでいることを示している。下側の白い矢印および中央の×印は、第1ポリマーでできた内側ポリマー層またはコアを示しており、図4の上側の2つの矢印は、本発明の二重壁微小球の、第2ポリマーでできた外側ポリマー層を示している。この写真から分かるように、内側コアの大部分は空洞であり、内側ポリマー層または内側ポリマーコアの外側部分だけが固体である(微小球の中心の×印に向いている、2つの矢印のうち下側の矢印を参照のこと)。
中空微小球の外壁および内壁中のポリマーを同定するための、FTIR顕微鏡スペクトルを示すグラフである。この例では、微小球の外部または外側の壁はPLAでできており、内部または内側の壁はPLGAでできている。
PLGA80/20(外壁)とPLGA75/25(内壁)でできた中空二重層微小球のDSCサーモグラムを示すグラフである。このDSCサーモグラム中に明らかに見られる2つの異なるTg(ガラス転移温度)は、二重層構造の相分離現象を示している。
PLGA80/20のPLGA75/25に対するポリマー比が2:1または1:1(w/w)である中空二重層微小球の累積放出プロフィールを示すグラフであって、担持したBSAの量に対する放出されたBSAの割合を示している。この微小球の放出プロフィールは、他の二重壁微小球の場合に見られるような初期バースト放出後の20日間以上に亘る通常の時間遅延がなく、初期バーストが低く、3ヶ月間以上に亘って制御されつつBSAが持続的に放出されていることを示している(Lee, T.H., Wang, J., Wang, C.-H., 2002, supra)。
PLGA80/20とPLGA75/25でできた中空二重層微小球を、(A)1日、(B)14日、(C)28日間、in vitroで分解した後の、壁の断面図を示すSEM写真である。スケール目盛りは、各SEM写真の右側に示されている。図8は、長期間のタンパク質放出が、内側および外側ポリマーの分解速度と、残渣ポリマーマトリックスからの親水性薬物分子の拡散によって制御されることを示している。図8は、1日(A)、14日(B)、および28日間(C)加水分解処理した後の、中空二重層微小球の壁の多孔性と細孔の大きさの増大を示している。図8(A)は、加水分解前の微小球の外側層を示している。この時のポリマー壁は密で非多孔性であった。分解14日後(図8(B))、ポリマー壁には直径8μm以下の細孔が明らかに認められる。微小球壁(外側層)の細孔の数は、加水分解28日後には著しく増加している(図8(C))。] 図4 図8
[0014] 第1の態様において、本発明は、少なくとも1つの親水性活性化合物または親水性物質を含む多重壁微小球の合成法に関する。この方法は、有機溶媒に溶解した第1ポリマーを含む第1溶液を調製する工程と、有機溶媒に溶解した第2ポリマーを含む第2溶液を調製する工程と、極性溶媒に溶解した少なくとも1つの親水性活性化合物を前記第1溶液と乳化して、第1エマルションを得る工程と、前記第2溶液を前記第1エマルションと乳化して、第2エマルションを得る工程と、前記第2エマルションを、安定剤を含む水溶液と乳化し、前記安定剤含有溶液を混合して前記有機溶媒を蒸発させる工程と、を含み、第2ポリマーは、第1ポリマーよりも疎水性であり、より高い固有粘度を持つものである。]
[0015] 第1ポリマーは、本発明の微小球の内側ポリマー層(中空コア)を形成し、第2ポリマーは、内側ポリマー層を含む、または取り囲んでいる、第2の層または外側層(微小球が何層のポリマー層を備えているかによる)を形成している。]
[0016] 第1ポリマーを含む第1溶液と混合する前に、極性溶媒に親水性活性化合物を溶解しておくと、本来、固体状態でしか微小球に加えることができなかった親水性物質を、微小球に担持させることができる(Lee, T.H., Wang, J., Wang, C.-H., 2002, Journal of Controlled Release, vol.83, pp.437)。これにより、例えば、タンパク質などの活性物質を、タンパク質だけでなく他の物質、例えば、封入されるタンパク質を安定化するための物質または化合物なども含んでいる溶液として、このような微小球に担持させることができる。このような添加剤または追加物質は、例えば、タンパク質を担持した微小球を乾燥する、あるいは、タンパク質の結晶を、微小球内に封入する前に有機溶媒に分散させる過程で、タンパク質の安定性が失われる危険を小さくし、あるいは回避することができる。]
[0017] 親水性である限り、タンパク質以外の活性化合物も、本発明の微小球内に封入することができる。このような活性化合物の例としては、タンパク質以外の医薬用物質、肥料、殺虫剤、化学指示薬(pH指示薬など)、あるいは染料までもが挙げられる。]
[0018] “親水性”(“hydro”および“phil”から逐語的に“水を好む”)とは、物質の特性が、水溶液または極性溶媒(水など)中に入り込み、その中に留まろうとする傾向によって決まることを意味する。例えば、水溶液中において、親水性化合物は、水素結合で過渡的に水(H2O)と結合することができる。親水性活性化合物中に見られる典型的な化学基は、カルボキシラート、スルファート、およびスルホナート基、またはポリエーテル鎖である。親水性基と疎水性基とを含む活性化合物は、両親媒性(両性)と呼ばれる。この特異的な親液特性により、親水性化合物は、表面活性物質(界面活性剤)の群に含まれる。親水性の反対は、疎水性、親油性、または無極性であろう。]
[0019] “エマルション”の語で既に示したように、これは乳化によって得られる。乳化とは、2つの非混和性の液体を共に混合して(例えば、振盪、撹拌、またはホモジナイズにより)エマルションとする、乳化の処理を指す。このように、エマルションは、2つ以上の非混和性液体から成る分散系である。液体の一方が分散剤(連続相とも呼ばれる)を成し、その中に別の相(分散相とも呼ばれる)が小さな液滴となって分散している。ある液体を別の液体中に乳化すると、別の液体中に分散した(その中全体にバラバラに広がった)、ある液体の小さな液滴が生成する。]
[0020] 殆どのエマルションは、非混和性の相として、水と、油または脂肪とから成る。相の組成と割合によって、2つの分散のタイプが存在する。水“W”が連続相で、油“O”が分散相である場合、その基本特性が水相によって決まる“O/Wエマルション”が生成する。油“O”が連続相で水“W”が分散相であれば、基本特性が油によって決まる“W/Oエマルション”が生成する。]
[0021] この知見を本発明の方法に適用すると、図1を参照に説明されているように、本発明の方法では、本発明の微小球の製造にW/O/O/Wエマルションを用いていることが明らかとなる。] 図1
[0022] 図1は、本発明の方法の図式的概観である。まず、2つの溶液を調製する。第1溶液は、O相を形成する、少なくとも1つの第1ポリマーをその中に溶解した有機溶媒である。第2溶液は、もうひとつのO相を形成する、少なくとも1つの第2ポリマーをその中に溶解した有機溶媒である。第1溶液と第2溶液との違いは、第2溶液のポリマーの方が第1溶液のポリマーよりも疎水性であることである。] 図1
[0023] 平行して、親水性活性化合物を極性溶媒に溶解し、次に、第1溶液と乳化して第1エマルションを得る。極性溶媒は有機溶媒、即ち、O相中に分散するため、W/Oエマルション(第1エマルション)が得られる。つまり、エマルション中で、O相が連続相(分散剤)であり、極性溶媒中に溶解した親水性活性化合物が分散相を形成している。親水性活性化合物を固体の状態(粉末や結晶など)で有機溶液(O相)に加えて溶解させる代わりに、最初にこれを水性溶媒などの極性溶媒に溶解させているため、活性化合物が不安定化する危険が小さくなる。]
[0024] 例えば、タンパク質などの活性化合物を、最初に賦形剤と共に水溶液などの極性溶媒に溶解せず、例えば、O/O/Wエマルションを調製する方法のように、直接有機溶液と混合すると、タンパク質が有機溶媒との直接接触により非常に変性し易い。更に、一部の薬物は、いくつかの眼科用注射液や目薬のように水溶液としてしか得られない。このような場合に、本発明の方法は、最初にこれらの薬物を乾燥させる、即ち、固体状にする必要がなく、薬物を水溶液のままポリマーに担持させることが可能であるため、製造工程が簡単になる。]
[0025] 一般に、活性化合物としてタンパク質を用いる場合、微小球から凝集または変性したタンパク質が放出されると好ましくない免疫応答を生じるおそれがあるため、その本来の立体配座で放出することが必要不可欠である。]
[0026] その後、上記の第1エマルションを、第2ポリマーを含む第2溶液と乳化して、第2エマルション(W/O/Oエマルション)を得る(図1参照)。第2溶液(O相)の第2ポリマーは第1ポリマーよりも疎水性であるため、2つのポリマーの溶解性は異なり、エマルション中で2つのポリマーの相分離が起きて、第2ポリマーが外壁を成し、活性化合物を封入している第1ポリマーが内壁を成す、二重壁微小球ができる。] 図1
[0027] 第2エマルション(W/O/Oエマルション)中に生成した微小球を安定化するため、安定剤を含む水溶液中で微小球を乳化して、最終エマルションまたは安定剤含有溶液(W/O/O/Wエマルション)を生成する(図1参照)。安定剤は、生成した微小球と安定剤を含む溶液との界面に存在している。] 図1
[0028] 溶媒の蒸発と、それに続く洗浄の間に、この安定剤の大部分も除くことができる。残った少量の安定剤が生成した微小球の一部を成していても良い。このため、ある態様では、ポリビニルアルコール(PVA)や後に更に挙げる安定剤などの生分解性の安定剤が用いられる。]
[0029] この最終エマルションを適当な温度または減圧下で混合して、有機溶媒を蒸発させる。溶媒の蒸発後、凍結乾燥および貯蔵する前に、微小球を遠心分離および洗浄しても良い。]
[0030] 図4に示すように、本発明の方法で得たほぼ全ての微小球は中が空洞であり、または空隙を形成しているため、中実のコアを持つ微小球よりも多くの活性化合物を担持できる(例えば、Lee, T.H., Wang, J., Wang, C.-H., 2002, supra参照)。本発明の方法で得た微小球は滑らかな球状の表面を持ち(図3参照)、平均粒径は約10μmから約1,000μm、あるいは、50、100、200、300、400、500、600μmから約700、800、900、および1,000μmである。] 図3 図4
[0031] 活性化合物を担持した微小球を、界面活性剤を含む溶液中で安定化させたら、最終エマルションをホモジナイズまたは撹拌して有機溶媒を抽出および蒸発させ、更に、微小球を硬化させる。最終エマルションに減圧をかけて有機溶媒を蒸発させることも可能である。]
[0032] 更に、生成した微小球を濾過および洗浄する工程、また貯蔵を目的としてこれを凍結乾燥する工程を加えることができる。微小球を作っているポリマーが湿度に敏感な場合、湿気でポリマーが加水分解しないようデシケータ中に保存しても良い。]
[0033] 例えば、有機溶媒を蒸発させるための最終エマルションの撹拌は、約20から50℃、30から50℃、または30から40℃の温度で行うことができる。撹拌時間は、少なくとも約30または60分間である。必要に応じて、撹拌後、有機溶媒を更に蒸発させるため、最終エマルションを更に4または5から6または7時間撹拌し、あるいは最終エマルションを減圧下に置いても良い。最終エマルションをホモジナイズする場合、撹拌速度は約1,000から約1万rpmの範囲とすることができる。ホモジナイズの代わりに機械的撹拌を用いる場合、撹拌速度は約100から約2,000rpmの範囲とすることができる。]
[0034] 本発明の微小球を用いて、タンパク質の担持率を85%に高めることができる。このとき活性化合物は、微小球の内側の空隙と内側ポリマー層に含まれている。一般に、約80から90%または70から85%の担持率が可能である。]
[0035] 本発明の微小球の外側ポリマー層は、均一な厚さを持ち(図4参照)、即ち、第1ポリマー層の周囲に形成された第2層の幅は、第2ポリマー層で包まれている第1ポリマー層の周囲全体で同じである。更に、第2ポリマー層は、活性化合物の放出速度を制限する障壁として作用する。内側ポリマーコアが微小球の容積の約90%から95%または95%を占め、第2または外側ポリマーが残りの5から10%を占めている。一般に、外側ポリマー層が厚いほど初期バースト放出は低いと言える。] 図4
[0036] 本件で用いられているように、“有機溶媒”と“極性溶媒”の意味は重なり合っている。“有機溶媒”とは、炭素を含む化学物質から成る溶媒を指す。“極性溶媒”とは、一般に15以上の誘電率を持つ溶媒を指し、15以下の誘電率を持つ溶媒は、一般に無極性と見なされる。しかし、場合によっては、極性溶媒が有機溶媒であることもある。本発明においては、本発明の方法で用いるポリマーを溶解させる媒体に関わる有機溶媒を指している。“極性溶媒”という特徴は、その中に親水性活性化合物を溶解させる媒体を指すために用いられる。ある例において、極性溶媒は、有機溶媒ではない全ての極性溶媒を含むことができる。]
[0037] 親水性活性化合物の溶解に使用できる極性溶媒の例は、水または水溶液、例えばPBS緩衝液である。どの活性化合物がどの極性溶媒に溶解するかについての知識は、当該技術の一般知識であるので、当業者ならば、特定の活性化合物または活性化合物混合物にどの極性溶媒を用いれば良いかは容易に決定できよう。]
[0038] 本発明の方法で用いられるポリマーを溶解するための有機溶媒の例は、酢酸エチル(EAc)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ペンタン、ベンゼン、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート(PC)、四塩化炭素、塩化メチレン(ジクロロメタンまたはDCM)、またはアクリロニトリルである。本発明のある例では、有機溶媒として塩化メチレン(ジクロロメタンまたはDCM)が用いられている。]
[0039] 第1溶媒および第2溶媒に用いられる有機溶媒または有機溶媒混合物は同じである。室温で揮発性の、または低い沸点を持つ有機溶媒または有機溶媒混合物が好ましく、即ち、多くの場合、沸点は70℃以下である。ポリマーの相分離には一般に迅速な蒸発が必要なため、低沸点の有機溶媒が望ましい。]
[0040] 本発明の方法で用いられるポリマーは、生分解性または非生分解性ポリマーのいずれであっても良い。生分解性ポリマーは合成または天然ポリマーであり、酵素的/非酵素的にin vivoで分解して、封入された親水性活性化合物を徐々に放出しながら、生体適合性または無毒の副生成物を生じる。]
[0041] 本発明の方法で使用できるポリマー類の例としては、ポリエステル、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、プソイドポリアミノ酸、天然ポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリ尿素、(ポリ)アクリラート、メタクリラート、アクリラートメタクリラート共重合体、ポリアリールスルホン(PAS)、ポリウレタン、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリホスファゼン、あるいはこれらの共重合体および/または組み合わせが挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0042] 更なる例としては、ポリエチレン、フッ素化ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド−イミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリビニル、ポリフッ化ビニル、シリコーン、尿素−ホルムアルデヒド、あるいはこれらのポリマーの共重合体または混合物が挙げられる。]
[0043] ある例において、ポリ無水物から成る共重合体、例えば、セバシン酸(SAまたはデカン二酸)と重合させたポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン無水物](CPP)も、本発明の方法のポリマーとして使用できる。CPPとSAの比は変えられ、例えば、pCPP:SAが20:80、50:50などの組み合わせが使用できる。SAの代わりに、ドデカン二酸(DD)も使用できる。更にその他のポリ無水物の例としては、ポリマレイン酸無水物、ポリアジピン酸無水物、またはポリセバシン酸無水物が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0044] 天然ポリマーの非制限的な例としては、タンパク質または多糖が挙げられ(但し、これらに限定しない)、タンパク質は、例えば、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、フィブリノゲン、コラーゲン、またはカゼインである。適当な多糖類の例としては、デンプン、セルロース(セルロースエーテルおよびセルロースエステルなど)、キトサン、デキストラン、アルギン酸、イヌリン、またはヒアルロン酸が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0045] ポリエステル類の非制限的な例としては、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)、ポリ乳酸(PLAまたはPLLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエステルアミド(PEA)、ポリ(ヒドロキシブチラート−コ−ヒドロキシバレラート)(PHBまたはPHBV;ポリヒドロキシアルカノアート)、脂肪族コポリエステル(ポリ(ブチレンスクシナートアジパート)(PBSA)など)、芳香族コポリエステル(ポリ(ブチレンアジパート−コ−テレフタラート)(PBAT)など)、およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)酸(PLGA)が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0046] ポリ(ブチレンアジパート−コ−テレフタラート)(PBAT)などの芳香族コポリエステル類は、しばしばテレフタル二酸を原材料としており、脂肪族コポリエステル類は、ジオール類(1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、または1,4−ブタン(butadene)ジオールなど)と、ジカルボン酸(アジピン酸、セバシン酸、またはコハク酸)との組み合わせで得られる。脂肪族コポリエステルの生分解性はその構造にある程度依存する。結晶性を低下させるアジピン酸を加えると、生分解し易くなる。デンプン充填剤を加えて、脂肪族コポリエステルの分解速度を大きく改善することができる。]
[0047] 例えば、PLGAは、エステル結合で繋がった連続的なモノマー単位(グリコール酸または乳酸の)から成るため、生成物として直鎖状の脂肪族ポリエステルが生じる。重合に用いたラクチドとグリコリドの比に応じて様々な形のPLGAが得られ、これらは一般に、使用したモノマーの比で識別される(例えば、PLGA75:25は、その組成の75%が乳酸で25%がグリコール酸の共重合体である)。全てのPLGAは結晶性よりも無定形である。PLGAは、水の存在下でのそのエステル結合の加水分解により分解する。PLGAの分解に必要な時間は、製造に用いたモノマーの比に関係し、グリコリド単位の含量が高いほど分解に必要な時間は短くなる。このルールの例外は、モノマー比が50:50の共重合体で、より早い分解(約2ヶ月)を示す。更に、エステルでエンドキャップした(end-capped)(遊離カルボン酸に対するものとして)ポリマーは、より長い分解半減期を示す。このように、本発明は、化学的に変性したPLGAまたは他のポリマー、例えば、上記のエンドキャップエステルを含む変性PLGAなどにも言及する。更に、本発明は、−OHまたは酸性末端基を持つPLGAまたは他のポリマーにも言及する。−OHまたは酸性末端基を含むように変性されたポリマーは、エンドキャップポリマーよりも早く分解する。−OHまたは酸性末端基を含むポリマーは市販されている。]
[0048] PCL、PGA、PLA、PLGAなどのポリマーは、その生体適合性と生分解性により、生体医薬の分野で注目されている。特に、PLGAは、ヒトの治療用にFDAで認可されている。分解すると、PLAおよびPLGA鎖は体内で開裂してモノマーの酸類、即ち、乳酸とグリコール酸となり、クレブス回路を経てCO2と尿中の水として生体から排出される。]
[0049] 本発明の方法で使用できるPLGAの例としては、PLGA50:50(ラクチド/グリコリドモル比)、PLGA55:45、PLGA85:15、PLGA75:25、PLGA53:47、またはPLGA80/20が挙げられる(但し、これらに限定しない)。しかし、別の比も可能であり、本発明の方法での使用にも適している。]
[0050] 本発明の方法で用いる第1および第2ポリマーを選定する際には、確実にエマルション中において2つのポリマー間で相分離が起き、二重壁微小球が生成することが重要である。相分離は、異なる固有粘度を持つ非混和性ポリマーの間で起こる。一方、ポリマーの疎水性が異なると、親水性活性化合物が微小球の内側ポリマー層の中に確実に置かれる。第2ポリマー(第2または外壁を成す)は、第1ポリマー(内壁または中空コアを成す)より高い固有粘度を持つため、このポリマーは第1ポリマーの周囲に沈殿させられ、即ち、相分離が起きて二重壁微小球が生成する。]
[0051] Compendium of Chemical Terminology (2006)のIUPAC定義によれば、疎水性とは、無極性分子を排除しようとする水の傾向から生じる、水性環境中での無極性基または分子の関連性(association)である。言い換えるならば、疎水性は、水溶液への侵入しにくさによって決まる。この特異的な疎溶媒特性により、このようなポリマー類は、表面活性物質(界面活性剤)の群に含まれる。疎水性(同義語:親油性)の反対は、親水性、疎油性、または極性であろう。典型的な疎水性基は、長鎖または芳香族炭化水素残基である。前述のような様々なPLGAの場合、ポリマー比を示している最初の2つの数字、例えば、PLGA75/25の“75”は、ラクチドの百分率を示している。ラクチドの割合が高いと、より疎水性のポリマーとなる。ポリマーの疎水性を求める方法は当該技術において公知である。一般に、ポリマーの疎水性の程度は、水滴を供試ポリマーから成る表面に置いた時にできる接触角を測って求める。水滴の接触角(°)が大きいほど、ポリマーはより疎水性である。]
[0052] より高い疎水性を持つポリマーは、より大きな分子量を持つこともできるが、必ずしもそうである必要はない。あるポリマーが他のポリマーよりも高い疎水性を持っているからといって、高い疎水性を持つポリマーの分子量も、低い疎水性を持つ他のポリマーの分子量より大きいことを必ずしも意味しない。]
[0053] ある例において、内側コアを成す第1ポリマーの分子量は、1.2×105g/mol以下であり、第2または外壁を成す第2ポリマーの分子量は、1.3×105g/mol以上である。]
[0054] 前述のように、異なる固有粘度を持つポリマーの間で相分離が起こるため、微小球の製造に用いるポリマーの固有粘度が異なれば、微小球の多重壁構造が生成し易くなる。本発明の方法では、第2ポリマーの固有粘度が第1ポリマーの固有粘度よりも大きい。例えば、内側コアを成す第1ポリマーの固有粘度は1.2dl/g(120cm3/g)以下であり、第2または外壁を成す第2ポリマーの固有粘度は1.5dl/g(150cm3/g)以上である。ある例において、PLGA80/20(第2ポリマー)の固有粘度は約1.7から2.6dl/g(170cm3/gから260cm3/g)であるが、PLGA75/25(第1ポリマー)の固有粘度は0.93dl/g(93cm3/g)である。]
[0055] IUPAC Compendium of Chemical Terminology(第2版、1997年)では、固有粘度を次のように定義している。固有粘度(ポリマーの)は、ポリマーの無限希釈における、低下させた粘度の極限値(ηi/c)、またはインヘレント粘度(ηinh)、即ち、




(cは濃度、[η]は固有粘度)
である。固有粘度の語は、スタウディンガー指数として文献にも知られており、一般にcm3/gで表される。この数量は、粘度でも無次元数でもない。この語は慣用的な名称と見るべきである。一貫した用語での置換は、ポリマーの文献に不要な混乱を招くであろう。固有粘度は、単純なガラスキャピラリ中を溶液が流れる時間から求められる。固有粘度の測定に最も有用な種類の粘度計は、“懸垂レベル(suspended level)”またはウッベローデ粘度計である。固有粘度は、ポリマーに関する一般的な指標であって、通常、未加工のポリマーについて示されるものであり、一般に、クロロホルム中、25℃で測定する。ポリマーの固有粘度の値は、通常、ポリマー製造者によって提示される。一般に分子量の高いポリマーは高い固有粘度も持つ。]
[0056] ある例において、内側コアを成す第1ポリマーの分子量は、1.2×105g/mol以下であり、第2または外壁を成す第2ポリマーの分子量は、1.3×105g/mol以上である。]
[0057] ポリマーの適当な組み合わせとしては、PLGA75:25(第1ポリマー)/PLGA80/20(第2ポリマー)、PLGA53:47/PLGA80/20、PLGA50:50/PLGA80/20、PLGA53:47/PLGA75:25、PLGA50:50/PLGA75:25、PLGA75:25/PLA、PLGA53:47/PLA、PLGA50:50/PLA、PLGA75:25/PCL、PLGA53:47/PCL、PLGA55:45/PLGA80:20、PLGA80:20/PLGA85:15、PLGA75:25/PLGA85:15、PLGA50:50/PLGA85:15、PLGA55:45/PLGA75:25、PLGA55:45/PLGA75:25、PGLA55:45/PCL、PGLA55:45/PLA、またはPLGA50:50/PCLが挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0058] 微小球を含むエマルションの安定化に用いられる安定剤としては界面活性剤が挙げられるが、これに限定しない。界面活性剤としては、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、またはこれらの混合物が挙げられる。使用するポリマーによっては、生成する微小球の大きさに界面活性剤が影響を与えることがある。]
[0059] 陰イオン界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ペンタンスルホン酸ナトリウム、デヒドロコール酸、グリコリトコール酸エチルエステル、ラウリル硫酸アンモニウムおよびその他のアルキル硫酸塩、ラウレス硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、脂肪酸塩、またはこれらの混合物が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0060] 非イオン界面活性剤の例としては、ポロキサマー類(poloaxamers)、アルキルポリエチレンオキシド、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとの共重合体、ヘキサエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル、アルキルポリグルコシド類、ジギトニン、エチレングリコールモノデシルエーテル、コカミドMEA、コカミドDEA、コカミドTEA、脂肪アルコール類、またはこれらの混合物が挙げられる(但し、これらに限定しない)。ある例においては、微小球エマルションを安定化するためポリビニルアルコール(PVA)が用いられている。]
[0061] F127などのポロキサマー類は、主にヒドロキシル基を末端に持つ、2官能性ブロック共重合体界面活性剤である。これは、ポリオキシエチレン(ポリエチレンオキシド)である2つの親水性鎖が両端に付いた、ポリオキシプロピレン(ポリプロピレンオキシド)である中央の疎水性鎖から成る。ポリマーブロックの長さはカスタマイズできるため、少しずつ性質の異なる多くの様々なポロキサマー類が存在する。総称名“ポロキサマー”では、これらの共重合体を、一般的に文字“P”(ポロキサマーを指す)とそれに続く3つの数字で命名し、最初の2つの数字×100はポリオキシプロピレンコアのおおよその分子量を示し、最後の数字×10は、ポリオキシエチレン含量の百分率を示している(例えば、P407=ポリオキシプロピレンの分子量が4,000g/mol、ポリオキシエチレン含量が70%のポロキサマー)。商標名Pluronicでは、これらの共重合体のコード化は、その室温での物理的形状(L=液体、P=ペースト状、F=フレーク状(固体))を定義する文字で始まり、2または3つの数字が続く。最初の(1または2つの)数字は、ポリオキシプロピレンコアの分子量(BASFの Pluronicグリッドから求める)を指し、最後の数字×10は、ポリオキシエチレン含量の百分率を示している(例えば、F127=ポリオキシプロピレンの分子量が4,000g/mol、ポリオキシエチレン含量が70%のPluronic)。ある例においては、ポロキサマー407(P407)(=PluronicF127)、F−188、またはL−63、あるいはこれらの混合物が使用できる。]
[0062] 陽イオン界面活性剤の例としては、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、臭化ドデシルエチルジメチルアンモニウム(D12EDMAB)、臭化ジドデシルアンモニウム(DMAB)、塩化セチルピリジニウム(CPC)、ポリエトキシル化獣脂アミン(POEA)、p−トルエンスルホン酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム(BAC)、塩化ベンゼトニウム(BZT)、およびこれらの混合物が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0063] 両性界面活性剤の例としては、ドデシルベタイン、2,3−ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシルジメチルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、3−[N,N−ジメチル(3−パルミトイルアミノプロピル)アンモニオ]プロパンスルホナート、ココアンフォグリシナート(coco ampho glycinate)、およびこれらの混合物が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0064] 微小球の外側層またはシェルの厚さと内側層(内側の中空コア)の直径は、第2ポリマー(外側ポリマー層用)の第1ポリマー(内側ポリマー層用)に対するポリマー質量比(w/w)を3:1から1:4に変化させることで変えることができる。別の比の例としては、1:3および1:0.5が挙げられる。しかし、この範囲外にある比も可能である。ポリマー質量比と微小球直径との関係は当該技術において公知であり、例えば、Astete, C.E., Sabliov, C.M. (2006, J. Biomater. Sci. Polymer Edn., vol.17, no.3, pp.247)によって示されている。]
[0065] 生成する微小球の大きさに影響を与えられるその他のパラメータは、その中にポリマーを溶解させる有機溶液の粘度、界面活性剤溶液の濃度、使用するポリマーの分子量、ホモジナイザ速度および撹拌機の撹拌速度、中空微小球内の薬物封入である(Astete, C.E., Sabliov, C.M., 2006, supra)。一般に、撹拌速度が大きく、界面活性剤濃度が高いと粒径は小さくなる。また、界面活性剤を含むエマルション工程で高速のホモジナイザを用いると、粒径を効果的に小さくすることができる。]
[0066] 更に別の例では、少なくとも1つの親水性活性化合物を含んでいる極性溶媒に、更に物質を加えることができる。このような追加の物質の例としては、賦形剤、アジュバント、吸収促進剤、可塑剤、安定化添加剤、塩基性塩、または前述の物質の混合物が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0067] 賦形剤は、医薬用添加剤であり、製剤するために用いられる不活性成分である。賦形剤は、薬の剤形においてそれが果たす機能によって分類される。主な賦形剤の分類(機能)は、次のとおりである。結合剤、崩壊剤、増量剤(希釈剤)、潤滑剤、流動促進剤、圧縮助剤、着色料、甘味料、保存料、懸濁/分散剤、被膜形成剤/被覆剤、香料、または印刷インク。]
[0068] 例えば、賦形剤は、薬物が十分小さな粒子に分解してより早く血流に届き易くし、更に別のものは、使用時に最大有効性となるよう、製品の安定性を保つことができる。治療上の意味において表向きは“不活性”であっても、医薬用賦形剤は、現在の薬物製造において重要かつ不可欠な成分である。多くの製品において、賦形剤は全投与体の大部分を占めている。]
[0069] 賦形剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、乳糖、微結晶性セルロース、デンプン(コーン)、二酸化ケイ素、二酸化チタン、ステアリン酸、デンプングリコール酸ナトリウム、ゼラチン、タルク、ショ糖、ステアリン酸カルシウム、ポビドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、OPA製品(コーティングおよびインク)、クロスカルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、リン酸カルシウム(二塩基性)、クロスポビドン、またはセラック(およびグレイズ)が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0070] アジュバントは、それ自体が何らかの直接的効果を持つとしてもその効果は小さいが、他の薬剤(例えば、薬物、ワクチン)の効果を調節する、薬理作用物質また免疫薬である。アジュバントの種類としては、薬剤アジュバント(カフェインなど)、免疫アジュバント、および農業用噴霧アジュバントが挙げられる。]
[0071] 農業用殺虫剤と共に用いられるアジュバントは、増量剤、湿潤剤、固着剤、および雲霧剤に分類されている。免疫アジュバントとしては、無機、有機、油系、またはビロソーム(virosome)アジュバントが挙げられる。2つの一般的な無機アジュバントとしては、リン酸アルミニウムと水酸化アルミニウムが挙げられ、有機アジュバントの例はスクアレンである。]
[0072] 免疫アジュバントのひとつの例は、フロイントアジュバント(完全(CFA)または不完全(IFA))を含むものであり、これは免疫増強物質(免疫系のブースター)として用いられる、鉱油中に乳化した抗原溶液である。もうひとつの例はリビアジュバントであり、これは水中油型エマルションで、抗原を少量の代謝性油(スクアレン)と混ぜ合わせてから、界面活性剤(Tween 80)を含む塩水と乳化したものである。この系は更に、免疫刺激剤としての精製ミコバクテリア生成物(コード因子、細胞壁骨格)と、細菌モノホスホリルリピッドAを含んでいる。免疫アジュバントの例としては更に、Titermaxがある。Titermaxは、毒性が低く、生物由来の物質を含まない、新世代のアジュバントである。これは基本的に、界面活性剤として作用する、線状の、ポリオキシプロピレン(POP)とポリオキシエチレン(POE)の非イオン共重合体のブロックまたは鎖の混合物である。このような共重合体は、他の多くの界面活性剤材料よりも毒性が低く、走化性、補体活性化、および抗体産生に適した、有力なアジュバントとしての性質を備えている。]
[0073] その名が示すとおり、“吸収促進剤”は、本発明の微小球を投与した生物による親水性活性化合物の取り込みを促進する。吸収促進剤の例としては、界面活性剤、胆汁酸、エナミン誘導体、およびサリチル酸ナトリウムが挙げられる(但し、これらに限定しない)。これらの吸収促進剤は、例えば、生物によるタンパク質の取り込みを多くするために使用できる。このようなタンパク質の例としては、インスリン、ガストリン、リゾチーム、ヘパリン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、エンケファリン類、カルシトニン、およびグルカゴンが挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0074] “可塑剤”は、Tg(ガラス転移温度)を下げて、薬物の微小球の外への拡散速度を大きくするため、微小球の製造にしばしば用いられる。このような可塑剤の例としては、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、クエン酸エステル類、セバシン酸エステル類、グリセロール、トリアセチン、およびアセチル化モノグリセリドが挙げられる(但し、これらに限定しない)。上記種類の可塑剤の例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、セバシン酸トリエチル、セバシン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、またはセバシン酸ジブチルが挙げられる。]
[0075] 本発明の方法による微小球の製造に用いられる、PLGAなどの一部のポリマーでは、酸性のミクロ環境に対抗するため、ポリマーマトリックスに塩基性塩を加える必要がある。このような塩基性塩としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、または制酸性水酸化マグネシウムが挙げられる。本発明のある例では、炭酸マグネシウム(MgCO3)が用いられている。]
[0076] 一部の活性化合物は、安定化添加剤を加える必要がある。例えば、タンパク質には安定化添加剤が良く用いられる。このような安定化添加剤としては、追加のタンパク質類、糖類、ポリオール類、アミノ酸類、およびキレート剤が挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0077] これらの安定化添加剤は、本発明の方法による微小球の製造の間に、活性化合物を安定化するため加えることができる。あるいは、製造した微小球を凍結乾燥後、活性化合物を安定化するために必要である。]
[0078] 例えば、特に炭水化物は、乾燥状態でタンパク質を安定化する能力を持つ。トレハロース、ショ糖、マルトース、グルコースなどの糖類が、タンパク質安定剤として、コラーゲン、リボヌクレアーゼ、オボアルブミンなどの多くのタンパク質に用いられる。これらの糖類は、このようなタンパク質のガラス転移温度を上昇させる。シクロデキストリン類もタンパク質製剤の安定化添加剤として使用されている。]
[0079] 界面活性剤も、タンパク質安定剤として加えられる。界面活性剤を添加すると、送達部位での取り込みから放出までの多くの段階で、タンパク質が変性しにくくなる。亜鉛などのある種の遷移金属類が、タンパク質や他の活性化合物を安定化することが分かっている。凍結乾燥やスプレードライも、タンパク質などの活性化合物の貯蔵安定性を高める。凍結乾燥自体が、活性化合物に不安定化させるストレスをかけるため、凍結乾燥の間の安定化のために、適当な賦形剤および安定化添加剤を製剤に加える。デキストラン、グリコール類、グリセロール、シクロデキストリン類などのリオプロテクタントが、一部の凍結乾燥製剤の安定性を高めることが分かっている(例えば、Sinha, V.R., Trehan, A., 2003, J. of Controlled Release, vol.90, pp.261参照)。]
[0080] 微小球からの少なくとも1つの活性化合物の放出は、ポリマーマトリックスを通る拡散と、ポリマーの分解の両者に依存している。所望の放出期間の間のポリマー分解が甚だしいと、微小球が分解して、放出速度が予測不能かつ不安定となる。しかし、このような系からの封入物質の放出は、ポリマー障壁を通る拡散性、バルク相中でのコアの溶解性、活性化合物の大きさ、マトリックス中の封入物質の分散などに依存する。ポリマーの性質は、放出過程において主要な役割を果たす。注射用微小球の投与経路によっても放出の持続期間が変わると考えられる。]
[0081] pH誘発放出を利用しても、封入活性化合物の送達を更に制御することができる。このため、微小球の製造に用いられるポリマーにpH感受性基を組み込むことで、微小球を、様々な生物学的環境または特定器官を対象としたものにできる(Freiberg, S., Zhu, X.X., 2004, Int. J. of Pharmaceutics, vol.282, pp.1)。]
[0082] 投与経路に関しては、本発明の方法で得た微小球は、所望の用途に応じてどのような経路でも投与することができる。投与経路の例としては、例えば、経口、直腸、口腔、皮膚、鼻、または眼からの経路が挙げられる。]
[0083] 前述のように、本発明の微小球中に混合または封入可能な親水性活性化合物としては、例えば、薬物、肥料、殺虫剤、化学指示薬(pH指示薬など)、顔料、および染料(アゾ染料やロイコ染料など)が挙げられる。]
[0084] 殺虫剤は、塩素化炭化水素類(エンドスルファン、アルドリンなど)、有機リン酸塩類(アセフェート、マラソン(Malthion)など)、カルバマート類(アルジカルブ、2−(1−メチルプロピル)フェニルメチルカルバマートなど)、フェノチアジン、ピレスロイド類(アレスリン、トラロメトリンなど)、ネオニコチノイド類(アセタミプリド、ニチアジンなど)、植物由来化合物(カフェイン、アナバシン、リナロオール、除虫菊など)から成る群より選ぶことができる。]
[0085] 肥料は、植物に与えて成長を促す化合物であって、無機肥料(硝酸ナトリウム、採鉱したリン灰土、石灰石など)、または有機肥料(堆肥、スラリー、ミミズの糞、泥炭、海草、汚泥、グアノ(guano)など)が挙げられる。]
[0086] 封入可能な親水性薬物または薬剤は、全ての種類の薬剤を含むことができる。微小球は、例えば、胃腸管/代謝;血液および造血器官;循環系;皮膚;生殖器系;内分泌系;感染および体内侵入;悪性疾患;免疫病;筋肉、骨、および関節;脳および神経系;呼吸器系の予防または治療に有効な薬剤、またはこれらの混合物を含むことができる。微小球は、解毒剤、造影剤、放射性薬剤、および外傷用医薬材料(dressings)、またはこれらの混合物も含むことができる。]
[0087] 例えば、いくつかの一般的な薬剤/薬物として、アトルバスタチン、クロピドグレル、エノキサパリン、セレコキシブ、オメプラゾール、エソメプラゾール、フェキソフェナジン、クエチアピン、メトプロロール、およびブデソニドが挙げられる(但し、これらに限定しない)。]
[0088] ワクチン類、いくつか例を挙げるならば、B群連鎖球菌ワクチン(GBS)、破傷風トキソイド(TT)、日本脳炎ウイルス(JEV)、ジフテリアトキソイド(DT)、コレラ菌(VC)、SPF66マラリアワクチン、B型インフルエンザ菌(Hib)の多価ワクチン、百日咳毒素(PT)、ロタウイルスなども封入することができる。いくつか例を挙げるならば、封入可能なタンパク質の例として、ウシ血清アルブミン(BSA)、組み換えヒト上皮細胞増殖因子(rhEGF)、組み換えヒトエリスロポエチン(rhEPO)、タンパク質C、リボザイム類、バプレオチド(ソマトスタチン(somastatin)アナノグ)、酢酸オルンチド(LHRH拮抗薬)、成長因子(インスリン様成長因子−1(IGF−1)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)など);オボアルブミン、ヒト絨毛性ゴナトトロピン(hCG)、ヒト血清アルブミン(HSA)、組み換えヒト形態形成タンパク質−2(rhBMP)、およびカルシトニンがある。これらの物質は全て以前から使われているが、微小球を用いてこのような物質を制御放出すると、封入物質の初期バーストが著しく小さくなり、明確な薬物動態プロフィールを得ることができる。]
[0089] 別の態様において、本発明は、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球に関するものである。この中空微小球は、第1の内側ポリマー層と第2の外側ポリマー層とを含み、前記第2ポリマー層の前記ポリマーは、前記内側ポリマー層の前記ポリマーよりも高い疎水性を備えている。]
[0090] 親水性活性化合物は、中空微小球中に封入される。詳細には、親水性活性化合物は、第1ポリマーによって形成された空隙の中にあり、また、第1ポリマーによって形成された内側コアの殻の中に含まれている。一方、親水性活性化合物は第2ポリマー層中には含まれず、あるいは、内側微小球コアに比べて、ごく少量しか含まれていない。]
[0091] この特徴的な構造と活性化合物の分散により、中空微小球の親水性活性化合物の初期バースト率は5%または4%以下である。本発明の方法で得た微小球の初期バースト放出を基に、外側ポリマー層中に含まれる活性化合物の量を推定すると、2または3%以下である。]
[0092] 本発明の微小球の分解時間を更に長くするため、例えば、第1ポリマーに対する第2ポリマーの比を大きくして、前述のように第2ポリマー層を厚くする、あるいは、前述のエマルション法、または、既存の2つのポリマー層にもう1つのポリマー層を加えるのに適した、流動床コーティングなどの別の方法を用いて、もう1つポリマー層を加えることができる。]
[0093] 更に別の態様において、本発明は、前述のような本発明の方法で得た、親水性活性化合物を封入した中空微小球に関するものである。更に、本発明は、本発明の方法で得た、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球を含む、医薬組成物に関するものである。]
[0094] この医薬組成物は、患者の疾病または症状の治療または予防に使用でき、このような疾病または症状としては、癌、自己免疫疾患(HIVなど)、記憶障害、精神疾患、高血圧症、循環器疾患、眼疾患(緑内障など)、および代謝性疾患が挙げられる。更に、加齢に伴う疾病または症状(糖尿病など)、血圧の変調(高血圧症など)、血中コレステロール値の変調、肥満、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、プリオン関連疾病(ウシ海綿状脳症(BSE)など)が挙げられる。]
[0095] ここに実例を挙げて述べた本発明は、ここで具体的に開示していない1つ以上の要素や制限がなくても、適切に実行できる。つまり、例えば、“含む(comprising, including, containing)”などの語は、拡張的に、また制限せずに読み取るべきである。更に、本件で用いる用語および表現は、制限するのではなく、記述のための語として用いられており、これらの語および表現の使用において、表示および記述された項目(features)またはその一部の同義語を除外しようとする意図はなく、本発明の請求の範囲内で、様々な変形が可能であることが認められる。つまり、望ましい実施の形態や必要に応じた項目で本発明を詳細に述べてきたが、ここに開示の具体的に示した本発明の変形および変化も当業者により利用でき、またこのような変形および変化は本発明の範囲内にあるとすることを理解すべきである。]
[0096] ここでは、本発明を広く概略的に述べてきた。概略的な開示の内容に含まれるそれぞれのより狭義の種および亜属の群も、本発明の一部を成している。これには、除外される材料がここに具体的に挙げられているか否かに拘わらず、その属から何らかの対象を除こうとする、条件または消極的な除外のついた、本発明の一般的記述が含まれる。]
[0097] その他の実施の形態は、添付の請求項および非制限的な実施例に示されている。更に、本発明の特徴および態様がマーカッシュ群の用語で述べられている場合、当業者ならば、本発明もそれによって、マーカッシュ群の個々の要素または要素のサブグループの用語で記述されることが認められよう。]
[0098] [中空および/または中実微小球の製造工程]
初めに、3mlの、PLGA75/25、PLGA53/47、またはPLGA50/50のジクロロメタン溶液(第1溶液)(166.7mg/ml、または後に別途指定)を、1mlのウシ血清アルブミン(BSA)水溶液(極性溶媒)(50mg/ml、または後に別途指定)、およびMgCO3粉末(塩基性塩)(PLLAまたはPLGAの酸性分解生成物を中和するため)と、ホモジナイザ(Ultra Turrax T8、ドイツ国、IKA(登録商標)-WERKE製)を用いて乳化する。得られたエマルションを、次に、同じホモジナイザを用いて、3ml(または別途指定)の、PLGA80/20またはPLLAのジクロロメタン溶液(第2溶液)(166.7mg/ml、または別途指定)と乳化する。続いて、このエマルションを、100mlの0.3%PVA水溶液(安定剤を加えた水溶液)に注ぎ入れた後、撹拌機(BDC 1850−220、Caframo(登録商標))またはホモジナイザ(L4R、米国、Silverson製)を用いて22℃で6時間撹拌し、溶媒を蒸発させる。遠心して微小球を集め、脱イオン水で3回洗う。BSAを担持した微小球を凍結乾燥後、4℃で保存する。この工程の図式的概観を図2に示す。] 図2
[0099] [微小球の活性化合物担持の測定]
5%(w/v)のSDSを含む、2.0mlの、0.1M NaOH溶液に、上記の凍結乾燥した微小球、20mgを加え、時々振り混ぜながら37℃で24時間培養する。次にこの混合物を遠心して上澄みを取り、ビシンコニン酸キット(BCA)を用いて、BSA担持を求める。封入率は、BSA含量の実測値と理論値の比として表される。活性化合物担持は、次のように表される。
[数2]
活性化合物担持(%)={(担持した活性化合物の量)/(ポリマーの量+担持した活性化合物の量)}×100]
[0100] [in-vitroにおける微小球からの活性化合物の放出]
20±0.2mgの乾燥した微小球を遠沈管に入れ、2mlのPBS緩衝液(pH7.0)に分散させる。この遠沈管を、時々振り混ぜながら37℃の培養器中に24時間置く。所定の時間に遠沈管から上澄みを1ml取り、BCAキットを用いてBSA含量を分析する。次に、遠沈管に1mlの新鮮なPBS緩衝液(pH7.0)を補充する。in vitroでのBSAの放出は、担持したタンパク質の全量に対する放出されたタンパク質の百分率として表される。]
[0101] [走査型電子顕微鏡(SEM)]
凍結乾燥した微小球を、両面テープを用いて金属製スタッブ(stubs)上に載せ、金で真空めっきする。微小球の表面形態と内部構造を、SEM(JSM6360A型、日本国、JEOL製)により、5、10、または15kVで分析する。]
[0102] [フーリエ変換赤外(FTIR)スペクトル]
FTIR分光光度計メインフレーム(Bio−RadFTS−3500ARX)に接続したFTIR顕微鏡(Bio−Rad UMA500)を用いてFTIRスペクトルを得、中IR領域(波数400〜4,000cm−1、分解能2cm−1)で、Bio−Rad解析用ソフトウェアを用いて解析する。分析用に、単一ポリマーから成る標準的な微小球と中空二重層微小球を半分に切り、金スライド上に載せる。透過スペクトルを得るため、ソフトウェアを用いて外壁および内壁上の10個の点をランダムに選ぶ。]
[0103] [微小球の熱分析]
冷却装置を取り付けた示差走査熱量計(DSCQ10、TA instruments製)を用いて微小球の熱分析を行う。約6.0mgの試料を、密閉アルミニウム皿に入れ、10℃/分の割合で、第1加熱勾配(heating ramp)として−20℃から100℃、次に、−10℃に冷し、第2加熱勾配で100℃に再加熱する、加熱プログラムにかける。得られたデータを、TA汎用分析器ソフトウェアで処理し、ガラス転移温度(Tg)を求める。]
[0104] [実験結果]
前述の条件で製造した、活性化合物を担持した中空二重層微小球は、滑らかな球状の表面形態を持ち(図3)、平均粒径は約20から1,000μmである。粒径は、第2エマルション工程での、撹拌機の撹拌速度と、界面活性剤溶液の濃度に依存する。一般に、撹拌速度が高く、界面活性剤濃度が高いと粒径は小さくなる。更に、第2エマルション工程で高速のホモジナイザを用いると、粒径を効果的に小さくすることができる。断面図(図4)は、活性化合物を担持した微小球の中空の内部形態を示している。] 図3 図4
[0105] PLGA80/20と、PLGA50/50、PLGA53/47、またはPLGA75/25とのFTIRスペクトルの差を明確に判別することは難しいため、中空二重層微小球の内壁と外壁の材料を同定するために、PLA−PLGA微小球を用いてFTIR顕微鏡スペクトルを得る。PLLAのFTIR顕微鏡スペクトル(図5)は、1390と1462cm−1にメチル基のC−H曲げ振動を示したが、PLGAは、1408と1465cm−1にメチル基のC−H曲げ振動を示した。また、1435cm−1には更にメチレン基のC−H振動も見られた。内壁のスペクトルはPLGAのそれと一致し、外壁はPLAに一致する。二重層構造の相分離現象は、PLGA80/20とPLGA75/25でできた微小球のDSCサーモグラムが明らかに2つのTgを示すことからも(図6)、実証できる。予想されているように、溶媒(DCM)中で比較的似た溶解パラメータを持つポリマーの組み合わせ、例えば、PLGA80/20とPLGA75/25などでは、方程式(1)で求めたように、その物理化学的性質が似ているため、相分離工程を行うのはより困難である。] 図5 図6
[0106] 方程式(1):]
[0107] 式中、δは、溶解パラメータであり、ρは、ポリマーの密度であり、Mは、モノマー単位の分子量である。群分子引力定数(group molecular attraction constants)(G)は、予め計算されている(Billmeyer, F.W., 1984, Textbook of Polymer science, New York: John Wiley & Sons, page 25)。]
[0108] 似ている物理化学的パラメータを持つ、PLGA80/20とPLGA75/25との間での完全な相分離の発見から、本研究で用いられている他のポリマーの組み合わせでの相分離が予想される。実際に、例えば、PLGA53/47とPLGA80/20;PLGA50/50とPLGA80/20のような、別のポリマーの組み合わせでできた中空二重層微小球でも、同様な相分離過程が見られた。]
[0109] これらの微小球のタンパク質担持率は、84.8±2.3%にまで高めることが可能で、初期バースト放出は、全担持BSAタンパク質に対して、3.3±0.6%と低くすることができる。この低い初期バースト放出は、6mlの、PLGA80/20またはPLLAのジクロロメタン溶液(166.7mg/ml)と、3mlの、PLGA50/50、PLGA53/47、またはPLGA75/25のジクロロメタン溶液(166.7mg/ml)を用いて得られた。初期バースト放出は、ポリマーマトリックスからのタンパク質の即時の拡散に依存することが知られている。先に示したように、これらの微小球は、タンパク質などの親水性活性化合物が内側層中に分散し、外側層が、薬物放出に対する速度制限障壁として働く、リザーバ分散形マトリックス系の一種に分類することができる。このため、PLGA80/20またはPLLAの量を、PLGA50/50、PLGA53/47、またはPLGA75/25に対する通常の1:1の比より多くすると、薬物を担持していない外側層の厚みが増して、初期バースト放出をより抑えることができる。これに比べ、PLGA75/25などの単一のポリマーでできたモノリシック構造の微小球からのBSAの初期バースト放出は、60%を越えることもある(Jain, R.A., Rhodes, C.T., 2000, Eur. J. Pharm. Biopharm., vol.50, pp.257)。]
[0110] この微小球の放出プロフィール(図7)は、他の二重壁微小球の場合に見られるような初期バースト放出後の20日間以上に亘る通常の時間遅延がなく、初期バーストが低く、3ヶ月間以上に亘って制御されつつタンパク質が持続的に放出されていることを示している(Lee, T.H., Wang, J., Wang, C.-H., 2002, supra)。] 図7
実施例

[0111] 長期間のタンパク質放出は、内側および外側ポリマーの分解速度と、残渣ポリマーマトリックスからの親水性薬物分子の拡散によって制御される。図8は、1日(A)、14日(B)、および28日(C)間、加水分解処理した後の、PLGA80/20とPLGA75/25でできた中空二重層微小球の壁の多孔性と細孔の大きさの増大を示している。図8(A)は、加水分解前の微小球の外側層を示している。この時のポリマー壁は密で非多孔性であった。分解14日後(図8(B))、ポリマー壁には直径8μm以下の細孔が明らかに認められる。微小球壁(外側層)の細孔の数は、加水分解28日後には著しく増加している(図8(C))。] 図8
权利要求:

請求項1
少なくとも1つの親水性活性化合物を含む多重壁微小球を合成する方法であって、前記方法は、有機溶媒に溶解した第1ポリマーを含む第1溶液を調製する工程と、有機溶媒に溶解した第2ポリマーを含む第2溶液を調製する工程と、極性溶媒に溶解した少なくとも1つの親水性活性化合物を前記第1溶液と乳化して、第1エマルションを得る工程と、前記第2溶液を前記第1エマルションと乳化して、第2エマルションを得る工程と、前記第2エマルションを、安定剤を含む水溶液と乳化し、前記安定剤含有溶液を混合して前記有機溶媒を蒸発させる工程と、を含み、前記第2ポリマーは、前記第1ポリマーよりも疎水性であり、より高い固有粘度を持つことを特徴とする方法。
請求項2
請求項1に記載の方法であって、前記極性溶媒は水溶液であることを特徴とする方法。
請求項3
請求項1または請求項2に記載の方法であって、前記第1および/または前記第2ポリマーは、生分解性ポリマーであることを特徴とする方法。
請求項4
請求項1または請求項2に記載の方法であって、前記第1および前記第2ポリマーは、ポリエステル、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、プソイドポリアミノ酸、天然ポリマー、ポリアミド、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリ尿素、アクリラート、メタクリラート、アクリラートメタクリラート共重合体、ポリアリールスルホン(PAS)、ポリウレタン、ポリアルキルシアノアクリラート、ポリホスファゼン、ポリエチレン、フッ素化ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド−イミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリカーボネート、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステルカーボネート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフルオロオレフィン、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリオキサジアゾール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリプロピレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリチオエーテル、ポリトリアゾール、ポリビニル、ポリフッ化ビニル、シリコーン、尿素−ホルムアルデヒド、これらの共重合体および組み合わせから成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項5
請求項4に記載の方法であって、前記天然ポリマーは、タンパク質および多糖から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項6
請求項4に記載の方法であって、前記タンパク質は、アルブミン、グロブリン、ゼラチン、フィブリノゲン、コラーゲン、およびカゼインから成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項7
請求項4に記載の方法であって、前記多糖は、デンプン、セルロース、キトサン、デキストラン、アルギン酸、イヌリン、およびヒアルロン酸から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項8
請求項4に記載の方法であって、前記ポリエステルは、ポリ(ε−カプロラクトン)(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエステルアミド(PEA)、ポリ(ヒドロキシブチラート−コ−ヒドロキシバレラート(PHBまたはPHBV;ポリヒドロキシアルカノアート)、脂肪族コポリエステル、芳香族コポリエステル、およびポリ(ラクチド−コ−グリコリド)酸(PLGA)から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項9
請求項8に記載の方法であって、前記PLGAは、PLGA50:50(ラクチド/グリコリドモル比)、PLGA75:25、PLGA53:47、PLGA55:45、PLGA85:15、およびPLGA80/20から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項10
請求項7または請求項8に記載の方法であって、前記第1ポリマーおよび前記第2ポリマーは、PLGA75:25/PLGA80/20、PLGA53:47/PLGA80/20、PLGA50:50/PLGA80/20、PLGA53:47/PLGA75:25、PLGA50:50/PLGA75:25、PLGA75:25/PLA、PLGA53:47/PLA、PLGA50:50/PLA、PLGA75:25/PCL、PLGA53:47/PCL、PLGA55:45/PLGA80:20、PLGA80:20/PLGA85:15、PLGA75:25/PLGA85:15、PLGA50:50/PLGA85:15、PLGA55:45/PLGA75:25、PLGA55:45/PLGA75:25、PGLA55:45/PCL、PGLA55:45/PLA、およびPLGA50:50/PCLから成る第1および第2ポリマー(第1/第2)の組み合わせの群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項11
請求項9または請求項10に記載の方法であって、前記有機溶媒は、ジクロロメタン(DCM)であることを特徴とする方法。
請求項12
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の方法であって、前記安定剤は、両性界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、およびこれらの混合物から成る群より選ばれる界面活性剤であることを特徴とする方法。
請求項13
請求項4に記載の方法であって、前記ポリ無水物は、ポリ[ビス(p−カルボキシフェノキシ)プロパン無水物](CPP)、ポリリンゴ酸無水物、ポリアジピン酸無水物、およびポリセバシン酸無水物から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項14
請求項1から請求項10および請求項12のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機溶媒は、酢酸エチル(EAc)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルム、ペンタン、ベンゼン、ベンジルアルコール、プロピレンカーボネート(PC)、四塩化炭素、塩化メチレン(ジクロロメタンまたはDCM)、およびアクリロニトリルから成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項15
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2ポリマーの前記第1ポリマーに対する比は、約3:1から1:4の範囲にあることを特徴とする方法。
請求項16
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2ポリマーの前記固有粘度は、1.5dl/g(150cm3/g)以上であることを特徴とする方法。
請求項17
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1ポリマーの前記固有粘度は、1.2dl/g(120cm3/g)以下であることを特徴とする方法。
請求項18
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の方法であって、前記第2ポリマーは、前記第1ポリマーの分子量より大きい分子量を持つことを特徴とする方法。
請求項19
請求項18に記載の方法であって、前記第2ポリマーは、1.3×105g/mol以上の分子量を持つことを特徴とする方法。
請求項20
請求項18に記載の方法であって、前記第1ポリマーは、1.2×105g/mol以下の分子量を持つことを特徴とする方法。
請求項21
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1つの親水性活性化合物を含む前記極性溶媒は、賦形剤、アジュバント、吸収促進剤、可塑剤、安定化添加剤、塩基性塩、および前述の物質の混合物から成る群より選ばれる物質を更に含むことを特徴とする方法。
請求項22
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機溶媒の蒸発後に、少なくとも1回の遠心分離工程と、少なくとも1回の洗浄工程とを更に含むことを特徴とする方法。
請求項23
請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の方法であって、前記方法で生成した前記微小球を凍結乾燥する工程を更に含むことを特徴とする方法。
請求項24
請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の方法であって、前記の少なくとも1つの親水性活性化合物は、薬物、肥料、殺虫剤、化学指示薬、および染料から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項25
請求項24に記載の方法であって、前記薬物は、ワクチン、タンパク質、無機分子、およびこれらの混合物から成る群より選ばれることを特徴とする方法。
請求項26
請求項1から請求項25のいずれか1項に記載の方法であって、生成した前記多重壁マイクロカプセルの表面に更にポリマー層を被覆する工程を更に含むことを特徴とする方法。
請求項27
少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球であって、前記微小球は、第1の内側ポリマー層と第2の外側ポリマー層とを含み、前記第2ポリマー層の前記ポリマーは、前記内側ポリマー層の前記ポリマーよりも高い疎水性と高い固有粘度とを備えていることを特徴とする中空微小球。
請求項28
請求項27に記載の中空微小球であって、前記中空微小球は、前記活性化合物に関して5%以下の初期バーストを持つことを特徴とする中空微小球。
請求項29
請求項27または請求項28に記載の中空微小球であって、前記中空微小球は、約10μmから約1,000μmの最大寸法を持つことを特徴とする中空微小球。
請求項30
請求項27から請求項29のいずれか1項に記載の中空微小球であって、前記中空微小球は、密な表面を備えていることを特徴とする中空微小球。
請求項31
請求項1から請求項26のいずれか1項に記載の方法で製造され、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入していることを特徴とする中空微小球。
請求項32
請求項1から請求項26のいずれか1項に記載の方法で得た、少なくとも1つの親水性活性化合物を封入した中空微小球、あるいは、請求項27から請求項31のいずれか1項に記載の中空微小球を含むことを特徴とする医薬組成物。
請求項33
癌、自己免疫疾患、記憶障害、精神疾患、高血圧症、循環器疾患、眼疾患、および代謝性疾患から成る群より選ばれる、患者の疾病または症状の治療または予防に用いられることを特徴とする、請求項32に記載の医薬組成物。
請求項34
糖尿病、血圧の変調、血中コレステロール値の変調、肥満、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、およびプリオン関連疾病から成る群より選ばれる、疾病または症状の治療または予防に用いられることを特徴とする、請求項32に記載の医薬組成物。
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